「もちろん、普通高等学区で何かしら事件が起きたら、行動を起こすのはまず生徒会だ」

 璃寛が説明する。目の前にさっき出たばかりの普通高等部の玄関がある。麟紅と璃寛は何の躊躇(ちゅうちょ)も無くそれをくぐる。

「てことはなんだ? 何かこの辺で事件が起きたのか?」

「それを今から聞きに行くんだ」

「聞きに行く?」

「前にも言ったはずだろ。<黄昏の翼>は依頼があれば何でもする何でも屋だと」

 璃寛はそう答え、校舎の奥のほうにある生徒会室へ入った。