神鳴学園はもともと大学から始まった。大学を大きくしているうちに、高校、中学校まで設立していき、ついには都市と言われるまでになった。そういう学園だ。
 そして学園にはいくつも高校がある。神鳴学園直轄の普通高等部、進学高等部、工業、商業、農業など各種専門高等部、他に直轄ではないが子会社のように独立した学校がいくつかある。大学部が広がる北部以外の場所に高等部は点々と存在し、各高等部でそれぞれ割り当てられた学区を担当することになっている。主立ってその仕事をするのは、その高等部の生徒会である。
 東大校門(ひがしだいこうもん)に一番近い普通高等部は、その近辺の商業区を含む学区一帯を取り締まらなければならない。普通高等部生徒会に割り当てられた仕事だ。