そう言って見せたのはちょっと使い古したようなキーが一つ。なるほど、庭に置いてあったバイクはカーキーの物だったか。驚きだがしかし璃寛がバイクに乗れることの方が大きいかもしれない。

「かと言って男の後ろに乗るのはなぁ」

「つべこべ言わないでさっさと乗れ。乗らないなら走らせるぞ」

「へいへい」

 かくしてカーキーのバイクは普通高等部へ向けて走り出した。