一息して、桜は忘れ物を取りに行こうとして反対側を向いた。 そこに私をさっきから見ていたのか、一人の少年が立っていた。 ここは女子校。 怪しすぎる。 「あ、怪しい者ではありません!」 男は私の視線に気がついたのか、急いで言った。 「お、大洲さんですよね。咲良を見ませんでしたか」 何故私の名前を知っているのだろう。