「もしもしー、エリです」 携帯電話所持者のエリちゃんはけだるそうな声で応答した。 「あ、麻美です。ちょっと訊きたいことがあるんだけど今、平気ー?」 「いいよー、いまさー、図書館にきてたのよ。暇で暇で。ちょっと外出るまで待ってね」 そういうとがさがさっと何かをしまうような音がして、しばらく無音状態。 さてさて、どう切り出そうかな。 吉原くんの住所、知りたいのはそれだけなんだよね。 でも、気をつけないとエリちゃんの手によって噂話になってしまうかもしれない。