「はぁ」 やだな……。 とられるのも。 とられるかもって不安になる事も。 とられてないか確認する自分も。 てか、彼は物じゃないし。 こんな風に考えちゃう、ウジウジな私も、イヤ。 「……帰んないの?」 澄んだ声に反応した私は、ピラピラと紙を揺らしていた手も、瞬きも止め、ハッとして、声がした方に顔を向けた。 「……凌……」 真っ直ぐな視線は依然真っ直ぐなまま。 微かな笑みだけ浮かべて。 教室のドアに寄りかかってる彼……。