誰とも目を合わせないように下だけを見て走る。
慶太君が休みで良かったかも―…
こんなあたしを見たらきっと変に思う。
教室に帰ると愛子の席は、まだ空いていて、どこかで安心して席に戻った。
―…あたし、どっかおかしいんじゃないの?
気を休める為に、持って来ていたガムを口に投げ込む。
「あ!柚!ちょうだい!」
そう言って手を出して来たのは光希だった。
「ん」
「ありがと」
嬉しそうにガムを口に入れ前の席に座ると、あたしの顔をジッと見る。
「なに?どしたの?」
「え?柚が恋してる顔だなぁと思って見てただけ」
「えぇ?!ち…違っ…朱希は…」
「朱希?え?付き合ってんのって朱希君なの?」

