「ごちそーさん」
「え…朱希…」
呼び止めた声は聞こえたはずなのに、そのまま何も言わずに部屋から出て行ってしまった…―
部屋の外で母さんと朱希の声が聞こえる。
胸の中がモヤモヤとドキドキが混ざって複雑で自分でも言葉に出来ない…
「何なのよ!?もうっ!!」
愛子の事もあって、気になる人がいると言われて…あんな事されて…―
「頭の中がぐちゃぐちゃだよ…」
それに、あたし最低だ…
慶太君がいるのに、無理やりでも振り払わなきゃいけないはずだよ…―
あの朱希の真っ直ぐな目を見たって、あたしには慶太君がいるんだから。

