カレカノ


…―ちょっと待ってよ


朱希の柔らかい髪がオデコに触れて、近づく唇に固く息を飲んだ。


自分の顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。


…―何で?どうして朱希があたしにこんな事をしようとするの?


甘く香る吐息と目を閉じた朱希の顔が迫って来る。


頭の中はパニックで力強く握る手を振り払えない。


「……」


「柚葉ーッ!?お茶いらないのー!」


―…ドンッ


「あ!!はーいっ!」


母さんの声に朱希の手が緩んで、慌てて離すと逃げるように返事をした。