なに何か重い空気…― 愛子だって何か言いかけたよね、今。 「じゃあ俺、戻るから」 「うん、わかった」 愛子にチラリと視線を送り慶太君は教室から出て行ってしまった。 「慶太君は柚葉が大好きなんだね?うらやましいな」 「え?なんで?愛子いきなりどうしたの?」 「あたし朱希君と頑張るね」 「う…うん?泣かされたらあたしに言ってね?300倍にして返してやるから」 「あ…あはは…うん」 そんな風に冗談を言ってもどことなく元気ないのは朱希のせいだ。