「―――『幼い頃から、ずっと見守ってきた。
酷な役目を負わせたのは、私以外の何者でもない。
だからずっと、無事であるように祈っていた。

そして、何より―――』」


ヒョウリの言葉は、言霊になり、ムメの前に集まり始める。何かを形作るかのように一つに溶け合い、淡く光る白い塊になっていく。


そして、呼び出した。



「―――あ…」


ムメの口からこぼれた音は、そっと拾いあげられる。



「…何より、幸せであるように。

私はいつも、そなたを見守っていたよ。」



そこに現れたのは、一言主の神だった。