家までの道を、一定の距離を保って着いて来る。

あと5分足らずで家…という場所まで来てやっと、害はない、などと言ってはいられない事態に焦り出した。

ただ、こんな経験はないので、ストーカーだったら…だの悩みながら歩いていたら、


「あのー…すいません。」


急に声をかけられた。

驚いて振り返ると、例の女性がすぐ後ろまで来ている。


目を、
すり抜けた……?


困惑し、固まったヒョウリに向かって、その女性は満面の笑みを手向けたのだった。