会長の隣を通り抜け、席につこうとする。 図書室には誰もいない。 膨大な数の書籍が並んでいるだけだ。 いきなり、脇をすりぬけたところで、腕を捕まれた。 「なんすか?」 「男同士も綺麗なものだよ。生々しくない。」 は……? これは、何だ? 柔らかく、乾いたものが唇におしつけられる。 これがキスだとわかるまでに、そう時間はかからなかった。 わかった瞬間、強い拒絶が湧き出てくる。