余計な詮索はしない方がいいな。 俺もこれ以上、カルチャーショックをうけたくない。 「おーし、席つけー。授業はじめるぞー。」 チャイムもなっていないのに、分厚いレンズの眼鏡をかけた教師が入ってくる。 腐ってもトップの進学校だもんな。 ぼんやりそんな事を思っていると、泰牙が机を寄せて、真ん中に数学の教科書を開いた。 「教科書、ないだろ?」 「ん、ああ。サンキュ。」 泰牙、まじでいいやつだな。