「…羽向弘です。よろしく。」


俺の予想に反し、教室の雰囲気はあまりにも普通だった。


「よろしく〜」

「どっからきたん?」

「お前頭どんくらいいーの?」


普通の、男子高生だ。


「俺、彩河泰牙(アヤカワ タイガ)。泰牙ってよんでな。よろしく、弘。」


人懐っこい笑みを浮かべて、隣の席のやつが話かけてきた。


ツンツンさせた髪に赤いピン。
ちゃらそうだけど、笑顔で緩和されている。


「ああ。よろしく。」


何よりいい人そうだ。