｢ぐるかーっ！ぐるやったんかーひどいやないかー九鬼島ちゃん！｣


｢てめぇ…最初からそのつもりで…？｣


｢まんまとやられちゃったねぇ｣


｢何言ってんだ煩わしい。この不良共め。自業自得だろ。｣


あぁ、あまりにも出だしが突拍子もなさすぎていろいろと気がぬけてしまったが、慧が三人を叱咤するのをみて今自分がなにをしなければいけないのかを思い出した。


｢そうだぞ。九鬼島はそんなつもりはなかったしそんなこと言われる覚えもない。｣


三人と睨み合う俺の傍らで、品定めでもするかのように下から上まで三人を見つめる慧と、目をぱちくりさせながら状況を把握しようと眉間にシワを寄せる九鬼島。



冷戦のような沈黙を破ったのは意外にも悩んでいた九鬼島だった。

｢あの…捕まえようとか、そんな気はなかったのですが…すみません。｣

｢……｣

謝る九鬼島を１番不満げに見遣る紫乃宮。
こいつらと九鬼島にはどんな関係があるというのだろうか？




｢その…お三方は、先生とは、いったいどういった関係で？｣




真面目に言っているのだろうか。

いや、言っているんだろうな。

………なに言ってるんだ。

気の抜けるような質問に皆ぽかんと開けた口が塞がらない。


｢はぁ、なにを今更。こいつらは俺の生徒、お前の同級生、クラスメートだろう。｣


まったく、無関心にもほどがあるぞ、とため息をつきたくなった。