休み時間。
カーテンの隙間からじっとりとこちらを見ていた九鬼島が、ぱぁあっと花でも舞いそうな顔ででてきた。
表情がほとんどかわらないのであくまでフィーリングだが。
「コーヒー飲みませんか。入れますよ。」
「あ?あぁ、たのむ…。」
突然の問い掛けにどもってしまった。
給湯室に入っていく九鬼島の背中を見つめながら、何事か。
と頭上にはてなを浮かばせた。
しばらくしてもどってきた九鬼島の手には3つのカップ。
まさか、霊感にまで目覚めたというのではないだろうな。
「さっきからいたじゃないですか。」
とか言い出しそうで怖い。
「なんですか、別にもう一人いる、なんて言ったりしませんからね。そんな不審な目で見ないで下さいよ。
ほら、」
と九鬼島が入口に目をやった。
ガラッ
「はぁ、疲れた。」
「孝明…。そうか、次はフリーか。」
バキバキと肩をならしながらゲッソリした顔で孝明が保健室に入ってきた。
そういうことか、と納得した。
「先生、コーヒーどうぞ。」
「あぁ、悪いな、九鬼島。ありがとう。」
いったいどうしたというのだろう。
普段なら
「九鬼島、お前ものむか?」
「あぁ、有り難いです。ミルク多めで砂糖2つ。できれば茶菓子もお願いします。」
本当に有り難いと思ってんのか?
という具合なのに…。
やはりなにかおかしいようだ。
何のつもりだ。
九鬼島。

