誰だこいつは。

俺の唯一安らげる場所に…
入口は一つしかない。

俺がたった今でてきたそこの扉だ。

じゃあ−−−どこから?


まさか塀をつたって?


桜の木に寄り掛かり、本を手にしながら健やかに眠る少女にそんなことが?

しかしそれ以外考えられない。

そっと近寄り、顔を隠す前髪をのけるが少女におきる気配は見られない。

「しかも新入生代表か…ぷふっ」

面白い生徒が入って来たものだと笑っていると、ふと読んでいた本が目に映った。

「地獄の拷問百撰」

こんな顔して随分えげつない本読んでるな…。


そんな思いもつゆしらず、ただただ眠る少女に、俺は起きてからの反応が楽しみで自分の着てた白衣をかけてやった。