白衣越しの体温






「っはー。それは・・・また。どこから突っ込んでいいのかわからん。」


「そうか?」


「いや、とりあえず、なんで寝たフリしてるときの起こし方なんだ。声かければ普通に起きるだろう。寝たふりなんだから。」


「いや!九鬼島の寝たふりを甘くみるな。俺がここまでたどり着くのにどれだけの時間と体力を要したことかっ。話すと長くなるがな!聞いてくれるか孝明っ」


なに柄にもなく熱くなっているのだろうか・・・しかしこうなった慧の話は長い。実は慧は結構めんどくさい奴である。酔ったときとかな。

「いや・・・遠慮しておく。」


「そうか。それでな、なんで九鬼島の寝たふりをなめてはいけないかというと、なぜか知らないが頑なに起きない。ばればれなのに、だ。」


「…そうか。」


「だが…俺は見つけた!きっと俺は天才だ。」


(慧…新型か?!新型のあれにかかったのか?!保健医なのに…)


「おい孝明。なんかいまとてつもなく失礼なこと考えただろ」


(なっ!読心術だと?!)



「…まぁいい。とにかくだ。耳を貸せ。」