ベットに横たわる九鬼島を眼下に俺は備え付けの丸椅子に腰掛けた。


奴らが去ったあと、ベットに俺が運び込んだ。


こんなに軽い身体で、いろんなものを、何も言わずに背負おうとするこいつに俺は少々腹だっている。



だが、今回手荒いやり方だったことは一応悪かったと思ってるんだ。


だからおあいこということにしてほしい。



俺は眠る九鬼島の頭の上に手を滑らせた。


何度も何度も。

「なにがしたいんだろうな」

こんなに感情的に動いたのはいつ以来だろう…。

唐突にぼんやりと浮かんだ疑問。

お前と一緒にいると俺は俺がわからない。

どうしてくれる。

あじわったことのない感情で埋めつくされててどうしたらいいか解らないじゃねーか。

お前のせいだぞ。

どうしてくれるんだ、ばか…。




それはどんな難問を解くよりも難解だった。