私は白衣を渡した。




やるべきことはしたのだ。

さぁ、質問にあうまえにはやく!ここを立ち去らなければ…。


どうやら彼、霧島は私の

「素直に御礼作戦」

に面食らっているようだ。


「ちょっとまて。」

なんだこのやろう。

「九鬼島さん、なんで朝あんなとこで寝てたわけ?」

やはりただでは帰らせてくれないのか。

正直、困る。

なんて答えたらいいかと頭をフル回転させていると、
ぷふっと吹き出す霧島と目が合った




「いや、…ふっ。別にっハハッ聞いてどうこうしようって訳じゃねぇよ。俺は保健医だからな。」


「……(それでいいのか)」


「し…しよくあ…なとこ登れたも…だ…俺にはまず無理だ…」




不思議な先生にであった。

途切れ途切れに聞こえる先生の声…








時として人は

予想外の結果を前に

心がひらく



大人も



捨てたものではない




ここから始まる物語。



「…………の」


「え?」



「青春をさがしていたの」






少女は静かに答えた