てとてとてと

 放課後になり、
 弘瀬と二人で掃除をサボった。


 茉莉が恨めしそうに見ていた。

 あとで埋め合わせをせねば。



「はいよ。これが主犯のリスト」


「仕事早くないか?
 頼んだの、昼休みだぞ」


「なんとなく依頼されそうな気がしていたから、
 先にリークしておいた」


 平然というが、いつから調べていたのだろう。


 氏名、クラスは当然載っているのだが、

 部活、委員会、

 持病、性格、評判、

 家族構成まで記載してあった。


 犯罪ではなかろうか。


「俺の趣味だ」


 趣味なら仕方ない。


 理由や手段はどうでもよかった

 リストに載っている情報を、ひたすら眺めた。


 人数は十人ほど。


 その内、過激に動いているのは三人だけ。


 何人か聞き覚えがあるが、顔は思い出せなかった。


「それは、千草が顔面をたこ殴りにしたからな」


 原型も止めなかったか。

 なるほど、それなら忘れる。


「ところで、そこ、危ないぞ?」


 フェンスの向こう側で、弘瀬は心配していた。

 彼は内側。
 自分は外側だった。


 空の缶を遊ばせながら、
 縁に腰掛けて読んでいた。


 ここは非情に眺めが良い。

 上も下も、よく見えるのだ。


「落ちてもしらんぞ?」


 一応、下には深めの池がある。

 勢い良く飛べば助かるさ。


 飛び降りる事態など、ないに越したことはないが。


「そう言えば、あの手紙って?」


「複製ならここにあるぞ」


「……何処から取ってきた」


「下っぱの横流し品だ」


 ふうん、と手紙を受け取った。