てとてとてと

「……2」

「3。その話本当か?」

「女子の間では有名だよ。あった、4」

「まあ。事情を知れば当然の反応だな……5だ」

「次は6か。6、6、……」

 手元のカードから目的の物を探す千種。

 一応、嘘をついて出してもいいのだが。というか、そういうゲームなのだし。


 昼休み、天気が良いという理由で屋上で昼食をとった。
 いい天気だから賭けでもしないか、と弘瀬が持っていたトランプで、今は遊んでいる。


 その中に、久坂はいない。

 どうしたんだろう、と千草の呟きが発端で事情が説明されていた。

 原因はつまり、俺にあるのだが。

 生徒会長に嫌われ、全校生徒の半数以上に敵視されている。

 そんな現状を知れば巻き込まれたくないと思うはずだ。

 むしろ、それがまっとうな対応なのだ。

 話はする、けど深入りはしない。

 それだけで上等だ。わざわざ常日頃から親しくする必要はない。
 クラスメイトのほとんどがそういう人ばかりで、この一年はむしろ助かっている方だ。

 事情を知らなかった久坂の対応は当然といえる。

 この変り者たち以外に、自分から手を差し伸べることなどするはずがない。


「幼なじみを避ける理由にならないじゃない。はい、12」

「類は友を呼ぶ。13」

「友達だろ、俺たち。1」

「「「ダウト」」」


 満場一致だった。


「またかよお前ら!?」


 ごっそりカードを持っていく。


「全然違うカードばっかりじゃねえか!」


 駆け引きに弱い千草だった。


 その背後では、いえーい、と手を合わせる弘瀬と茉莉。

 カード運が安定して強い茉莉と、持ち前の胡散臭さで勝負を掻き回す弘瀬。

 器用なことが出来ない千草は、絶好のカモだった。