腰を低く落とし、最後まで徹底交戦の意志を掲示する久坂。
無理とか、言っている場合ではないな。
審判にタイムをかけようとした、その時だった。
「ようみんな、戦況はどうだ?」
保健室に行っていた、弘瀬が帰ってきた。
「審判、タイムだ!」
これで勝ちの目が出てきた。
片手を上げて、内野へ戻る宣言をする。
チームメイトはただ一人の女子。
勝負が決するにはまだ早い。
「いまさら登場?」
「なに、勝負はこれからさ」
◇
結果から言えば、あたしたちは負けてしまった。
勝負はこれからだと言った、大将が立てた作戦は悪いものではなかった。
内野が投げたボールを捕って、外野にいる槇原に当ててもらう作戦だ。
彼のボールの凄まじさは証明済みで、なんとか回せれば敵を減らせるだろう。
そう簡単にうまくいくのかと、あたしは馬鹿にしていた。
しかし敵の内野は、親の仇といわんばかりに大将を狙った。
一度、二度、三度、あまりのしつこさに傍観してしまいそうになり、キャッチしたボールは外野へ回る。
槇原の豪速球は、内野を一人削った。
残った一人も、ボールを手にするなり外野に回さず大将を狙いだした。
作戦通りの展開だった。
狙われる相手がわかっているのだから、捕りこぼしがないようにサポートし、ついに外野にボールが渡った。
これで勝ちだと誰もが思ったが、なんとボールが避けられてしまった。
斜めに敵の内野へ飛んでいくボール。
その先には、敵の大将がいた。
「もらった!!」
体格に似合った大声で、誰にも捕れない剛球をさらなる勢いで、投げた。
狙いは、やはり大将だった。
あたしの前にいた大将は、
避けようとしなかった。
顔面狙いのボールを捕ろうとして、失敗した。
勢いに負けて、顔にボールを受け、バランスを崩して頭から転んだ。
無理とか、言っている場合ではないな。
審判にタイムをかけようとした、その時だった。
「ようみんな、戦況はどうだ?」
保健室に行っていた、弘瀬が帰ってきた。
「審判、タイムだ!」
これで勝ちの目が出てきた。
片手を上げて、内野へ戻る宣言をする。
チームメイトはただ一人の女子。
勝負が決するにはまだ早い。
「いまさら登場?」
「なに、勝負はこれからさ」
◇
結果から言えば、あたしたちは負けてしまった。
勝負はこれからだと言った、大将が立てた作戦は悪いものではなかった。
内野が投げたボールを捕って、外野にいる槇原に当ててもらう作戦だ。
彼のボールの凄まじさは証明済みで、なんとか回せれば敵を減らせるだろう。
そう簡単にうまくいくのかと、あたしは馬鹿にしていた。
しかし敵の内野は、親の仇といわんばかりに大将を狙った。
一度、二度、三度、あまりのしつこさに傍観してしまいそうになり、キャッチしたボールは外野へ回る。
槇原の豪速球は、内野を一人削った。
残った一人も、ボールを手にするなり外野に回さず大将を狙いだした。
作戦通りの展開だった。
狙われる相手がわかっているのだから、捕りこぼしがないようにサポートし、ついに外野にボールが渡った。
これで勝ちだと誰もが思ったが、なんとボールが避けられてしまった。
斜めに敵の内野へ飛んでいくボール。
その先には、敵の大将がいた。
「もらった!!」
体格に似合った大声で、誰にも捕れない剛球をさらなる勢いで、投げた。
狙いは、やはり大将だった。
あたしの前にいた大将は、
避けようとしなかった。
顔面狙いのボールを捕ろうとして、失敗した。
勢いに負けて、顔にボールを受け、バランスを崩して頭から転んだ。


