その夜、僕は鉢屋にどうこの想いを伝えようか考えていた。メールとか電話とかで伝えんのは照れくさくて出来ないから、風に乗せてこの想い届けようかな。・・・って今想えばここまで鉢屋のこと意識すんのも初めてだな。








次の日、想いをどう届けようか決める間もなく僕は学際での演劇のことをみんなと話し合っていた。
「ジャジャーン♪台本出来たぜぃ☆彡」
突然銭形が不敵な笑みで台本を出してきた。まあ銭形も可愛くはあるかなぁ、藤林や城戸みたいに。でもどうして銭形や藤林、城戸じゃなくて僕は鉢屋を好きになったんだろう。僕はそんなことばっかり考えて演劇の話し合いには集中してなかった。
覚えてるのはタイトルはオーマイガッデス!内容としてはさらわれた姫を救うべく送られた3人の勇士達の活躍をコミカルに描いたコメディな活劇だ。
「姫は絢乃で決まりとしてだ、勇士は才太と咲月と、誰がいいかな?そうだ、清士郎やる?」
んなっ!藤林め!!どうして僕なんだ!?僕はセット担当で役者じゃないんだぞ。そうか、この機会に絢乃ちゃんにコクれってか。くそっどうすりゃいいんだ。いや、何を迷ってるんだ僕は!受けるべきジャマイカ!!
「あ、ああそうだな。僕でいいならやるよ。」
「フフフッ♪やっぱりやるんだね。じゃあ姫をさらった軍団は、甚に小冬浬、あとは弥宵でどうかな。」
「あ、イヤさ、杏香ぁ。」
「あたし、悪役はちょっと・・・。」
「あっそうだったわね。ゴメンゴメン。じゃあ弥宵は3勇士のサポート担当のガンマンね。ほいで弥宵のとこに真一ね。」
「あぁ。了解だ。」
「なぁ杏香。」
突然風魔が申し訳なさそうに藤林に声を掛ける。
「高坂と同じ陣営なのはどうもイヤなんだが。」
「あっ!そうだったそうだった。小冬浬って甚嫌いだったよね。O.K.じゃあ小冬浬と咲月チェンジね。」
風魔と高坂は微妙に仲が悪い。というか風魔が一方的に高坂を毛嫌いしてるようにも見えるが。一方の高坂はたまに風魔に言い寄ってるな。
僕もよく知らないが、ヅカ子の風魔が高坂を毛嫌いしてるのには訳があるらしく、風魔のご先祖が高坂のご先祖に間接的に殺されたから彼女はああも高坂を毛嫌いしてるとか。