・・・。
僕はいつの間にか鉢屋を見つめていた。
「あっれ~?清士郎。」
・・・ってウワァァァッ!ふっ藤林!?何で目の前に藤林がアップで見えてんだァァッ。
「ボーッとしながら何見てたん?って絢乃?絢乃見つめてたんかい!」
な・・・っ何でバレたぁぁぁ!!
「・・・」
藤林は無言で俺の凸に手を当てる。
「熱なんてないんだが。」
「・・・」
今度は哀れなものを見る目で見てきた。
「可哀想なものを見る目で僕を見ないでくれるか。」
「・・・」
更にジト目で僕を見つめながらニヤリと笑い蔑み始めた。
「蔑むなよっ。」
「んじゃどーしろってのよ?」
藤林は真顔でそう返してきた。
「僕が鉢屋を見つめてるのを流してくれ。」
「ねぇ絢乃。清士郎ってば絢乃好きっぽいよぉ。」
どはっ・・・
バレた。スゴく厄介な藤林にバレた!!何でだ?何で流さないでこんなことすんだよ。
「ほぇぇ?出浦くんって私のことぉ、好きなのぉ?」
鉢屋が豊崎愛生みたいな間延びした可愛い声でそんなことを言ってくる。
「えっ!?あっ・・・いや・・・その・・・。」
どうしたんだ僕!今なら勢いでコクれんじゃないか!!だが・・・、この想い、どう伝えようか。
「あれぇ?どぉしたのぉ出浦くん。顔真っ赤だよぉ。」
そりゃ君が僕の目の前でその首をかしげながらそんな目で見られちゃそうなるよ。
「ねぇ~、今日朝からボーッてしてなかったぁ?具合悪いなら早く帰った方がいいよぉ?」
うぅっこの想いの伝え方を考えてたら具合悪いって思われたあ!!ちょっと凹んだぁぁぁぁっ!!!
そして
「・・・。」
「なぁ藤林。頼むから今の僕を可哀想なものを見る目で見ないでくれ。ついでに蔑まないでくれ。マジで。」