エセルは木に書かれている字を覗き込んだ。


文字は彫り込まれているが、相当長い年月が経っているらしく、薄くなっていたり消えかかったりしているため読みにくい。


「呪い?何の事かしら」


なんとか読めたエセルが木を不思議に見つめながら言った。


エセルの横から覗き込んだレオルとフェリアも木に彫り込まれている文を読む。


一瞬、びっくりしたようにフェリアが文章を見たが、落ち着きを取り戻すと静かに言った。


「きっと森の主に会った人が書いたのよ。イヴというやつは呪いの魔法も使えるのかしら」


それを聞いたエセルは三人そばで倒れている木を見つめた。


木は爪跡だらけだ。


「そうだとしたら気をつけなくちゃね…」


フェリアとレオルが頷く。