エセルはそんな事を思いながら
標識の文字をボーっと見つめた。


「――――!」


そしてある事に気づいたエセルは興奮しながら言った。


「"まぬけ"っていうのは<ま>の字をぬけるって事じゃない?そして………」


「"ステラ"というのは<ら>の字を捨てるということか!」


レオルの言葉にエセルは笑顔で頷いた。


そんな二人を見ながらフェリアは少し興奮したように大きな声で口を開く。


「さすがエセルとレオルね。じゃあ

[我が名はイヴ
我、この森の主なり
不死身の我を倒す事は出来ぬ]

になるのね?」


あとの二人が首を縦に振る。


「不死身……本当なら確かに倒す方法はないわね」


エセルは真剣な面持ちをしている。


そんなエセルを見てフェリアが明るい調子で言った。


「遭遇しなければいい事よ。大丈夫」


その優しい言葉にエセルは微笑み返した。


こんな時、フェリアの前向きな考え方はとても頼もしい。


レオルもそれを聞いた後、笑みを浮かべながら口を開いた。


「フェリアの言う通りだ。さあ先へ進もう。時間は待ってくれない」

たとえサスティンがいなくても大丈夫。この三人なら。


エセルは二人の明るい言葉でそう思うとレオルに「ええ」と言葉を返した。


そして彼女達は歩き始めた。


暗く暗く沈む深い森に向かって