エセルにはほかの事を考える余裕がなかった。


そのため、道のそばにしゃがんでいる女性に気づかなかった。


「そんなに急いでどうなされたんですか」


その女性はエセル達に気がつくと立って言う。


美しい女性で金髪の綺麗な髪を後ろに一つにたばねている。


青い瞳が印象的だ。


服は手作りの雰囲気がただよっている。


見る限りには〈村の娘〉という感じだ。


その女性はぐったりしているサスティンを見るとエセル達の返事を聞く前に少年の前へ歩みよった。


そして体をまじまじと見て、首の刺された後を見つけると厳しい口調で言った。


「さそりですね……。村はすぐそこです。急ぎましょう」


そう言うとその女性は早足になりながら前を歩いた。


三人は状況が飲み込めなかったが後をついて行く事にした。