レオルは真剣な面もちで早々と言う。


エセルはその言葉にうなづくとサスティンの腕を自分の肩におき、かつごうとしたが、上手く力が入らないため立ってもすぐにふらつく。


「俺がする」とレオルがサスティンをかついだ。


こういう時に大人はとても頼りになる。


エセルはサスティンをかついだまま歩くレオルを見て思った。


そしてレオルの後ろをエセルとフェリアがついていく。


三人とも少し小走りだ。


エセルに一筋の汗が流れた。

焦りと緊張の汗だ。


「大丈夫か?」


優しくレオルが背中にもたれかかっているサスティンに聞いた。


サスティンは目を少し開きながらかすれた声で言った。


「目が、かすれたきた」


消え入るような声で言うサスティンは目がうつろだ。


レオルはそんな少年を見ながら重々しく言った。


「まずいな。思ったより毒の廻るのが早いようだ」


その厳しい顔つきは事態の深刻さを表していた。


そしてエセル達二人を見ながらゆっくりと口を開いた。


「もってあと一日だ」