独り言のつもりだったのだがフェリアがそれを聞いていたのかエセルの方を向いて言った。
「私が聞いた話では歴史について書かれている本がたくさんあるそうよ」
フェリアが言った歴史、本という言葉にエセルは耳をピクッと動かした。
"伝えられた事柄"とは歴史の本の事だ。
人々が古くから伝えてきた歴史は本当の事かは分からない。
ただ、本に書いてあるから、みんなそう言って伝えられた事だからという曖昧な事に過ぎない。
つまりあの標識が伝えているのは"人々が伝えてきた歴史は全て本当なわけではない"という事だ。
これで全てのつじつまが合う。
文を繋げれば、
【何も知らないのは恐いこと。
知識が多い者こそ賢い。
人々が伝えてきた歴史は全て本当なわけではない。
誰かの記憶を追う事は本当の事を知る事と同じ。
記憶を求めて真実を見つけろ】
という事になる。
全てが分かり、エセルはにんまりと笑みをもらした。
三人にも伝えなければとすぐさま考えた。
そうと決まればとエセルは思い、口を開いた。
「私ずっとあの標識に書かれてあった文の意味を考えてたの。全然分からなかったんだけどフェリアの言葉で気がついたわ」
いつもより張りのある声で言う。



