父と母がいなくなるのは寂しく、嫌だったが少しの辛抱だと思い、わがままは言わなかった。 「いい子ね。じゃあ行ってくるわね。エセル」 母は優しくそう言うとドアを閉めた。 「いってらっしゃい」 エセルは明るく言った。 パタン。 ドアが閉まる。 エセルは棚に入っている古い絵本を取り出すと、本にふけった。 たまに二人が出かけることはあった。 そんな時は家から出ないで本を読んだ。 そうすれば不安もまぎれたのだ。