その後、みな疲れきっていた為か、深い眠りに落ちていった。


一人を除いては―――


エセルは目が覚めて寝られずにいた。


なぜなのか自分でも分からなかった。


こんなに疲れているのになぜか寝られない。


ゆっくりと立ち上がるとみんなのすやすやと気持ち良さそうに寝ている姿を見ながら部屋を出た。


誰も起きていないのか、なんの音もしない。


やけに寒い夜風にあたりながら、エセルは村長の家を出た。


そしてぐーっと大きな伸びをして体を伸ばす。


「眠れないのですか?」


後ろで声がした。