一行は木々から見える赤い光をうけながら明るくなった森の中を走った。


フェリアはまだ痛む腕を押さえたままだ。


三人はそれぞれに先程、イヴが話していた事について考えていた。


しかし、ホルストを倒そうにも居場所がさっぱり分からない。


それに偽名を使っている可能性は大いにある。


だとすればもうすでに月の内部の機関に入り込んでいるかもしれない。


そう思うと背筋がぞくっとした。


今まで信用してきた人、全てが敵に思えてきたのだ。


しかしエセルの知っている限り、上の人達はみんな、信用できる者達ばかりだ。


自分の気持ちを落ち着けるようにエセルは思った。