イヴはそれを聞いて驚いたような顔をしたがすぐに穏やかな顔をしたがすぐに穏やかな顔になると優しく言った。


「そうかもしれませんね。私もそんな気がします」


そう言って木々からもれる光を見上げた。


霧が晴れてきているのだ。


イヴはもれる淡い赤色の光を静かに見つめながら口を開いた。


「この二つの国を元に戻す事が出来るのはあなた方だけです。どうかこの争いを止めてください。」


そしてこちらを見るとにっこりと笑った。


「この者達に神の祝福があらん事を―――」


イヴが手を上に掲げるとその姿はフッと消えてしまった。


エセル達が最後に見たイヴの顔はなぜか嬉しそうに微笑んでいるように見えた。


「見て、霧が晴れてる!」


フェリアが嬉しそうに指を指す。


木々からは夕日の温かな光が漏れていた。


「急ぎましょう。時間がない」


しっかりとした口調でエセルがそう言うと二人はうなづいた。