そう言った方向を見るとエセルが弓を担いでレオルの後ろに立っていた。


「エセル!そうか君が……すまない、助かったよ」


レオルがエセルを驚いた様子で見つめた。


エセルはキョロキョロと辺りを見て、レオルに向き直ると低く落ち着いた声で言った。


「ええ…猪の雄叫びがしたから来てみたんだけどよかったわ、間に合って」


エセルは微笑んだ。


「ああ、本当に助かったよ。それにしてもどうして勝手にいなくなったりしたんだ?」


レオルの表情は柔らかだ。