月と太陽Ⅱ




「来るわ!」


フェリアは合図として大きな声で言った。


そしてすぐに避けられるように準備した。


汗ばんだ手で短剣を握りしめる。


しかし、


「え…」


フェリアは声をもらすと何もしないで立ち尽くした。


「何をしてるんだ、フェリア!」


レオルが叫びに近い声で言った。


しかしフェリアは動かなかった。いや、"動けなかった"。


猪がこれまでにない程のものすごい速さでこちらに突っ込んでくるのだから。


呆然と立ち尽くすフェリアにも気にしないで猪はそのまま突進した。


フェリアは肩をかすったぐらいだがあまりの衝撃でその細い華奢なな体は無惨にも吹っ飛ばされた。