エセルは杖で体を支えながら歩いた。 そこまでしてこの洞窟の奥へ行くのかと人は聞くだろう。 しかしエセルにははっきりとした理由がなかった。 何も言ってはいないがアイラが訴えるような瞳でこちらを見つめていた。 この洞窟に行ってほしいと。 だから行くのだ。 エセルはそんな考えなしの自分があまりにもバカらしくてフッと笑みをもらした。 しかし意識が一瞬飛んでしまい、エセルはふらついた。 前に進もうとするが足が棒のようにうまく進めない。