滴る血を手で受けとめながら歩く姿は周囲の目を集めた

「失礼します…」

廊下を突き当たり、扉をノックして中に入ると保健室独特の消毒液の匂いがした

「おや、また君かい?」

目を細め微笑む先生は保健の先生にしては似付かわしくない
明るい茶髪を後ろで結び、白衣の中には薄いピンクのワイシャツを着ている

顔は中の上、清楚っぽい顔立ちの男の先生。

「ライ先生“また”って今日は、まだはじめてですよ」

馴れ親しんだ保健室の洗面所で血だらけの両手を洗う