「…また一緒に帰ろうな」

あたたかい風が駅のホームを吹き抜けた

そう微笑んむ彼の笑顔はすごくきれいで

こんなに こんなにきれいに笑う人を見たことがない

胸がぎゅっと締め付けられた


背を向けて去っていく彼を優しいオレンジの光が包む

なぜか泣きそうになった

駆け寄ってその背中に抱きつきたくなった


彼の前に広がる5月の空はどこまでも澄んでいて

優しい 優しい夕暮れの色をしていた

それはまるで君のように

私の心をあたたかく染めていった…