「和真君、携帯の番号教えて!!
まひろも一緒に!!」

そう意気込んで話しかけるユキに少し驚いていた彼の瞳が
ちらりと私に向けられる

ユキの隣で戸惑う私の表情は無表情な彼の目にどう写ったのだろうか

しばらく私をみた後、彼はユキに視線を戻し

「別にいいけど…」

と呟く

やったーっと喜ぶユキと番号を交換する彼を見ていた

すると彼を私にも携帯を向け
驚ろく私を無視して再び私と番号を交換する

私たちと番号を交換すると彼はそのまま何も言わず席を立ち教室を出ていった

その姿を見ながらユキが

「和真君って女の子に番号聞かれても教えないって有名だったんだー。
だからすっごい嬉しい!!」

と言うのを聞きながら、
あの日初めて番号を交換したときの彼の照れた顔を
ぼんやりと思い出していた