「そ、それより携帯出せ!!
お前があたってる問題がどれか後でメールしろ」

また偉そうな口調に戻る彼

離れた手に
いつもの無愛想に戻った彼に

少し残念に思いながらも携帯を取り出し
番号を交換する

交換し終わると
携帯をポケットにしまい

「手悪かったな…。じゃあな」

ちらりと私を見た後
言葉少なめに和真君は後ろ手に手を振り去っていく

私の頭の中には
心配そうに私を見る彼の顔が

私の手には
優しく包み込む彼の手の暖かさが残っていた

去っていく彼の背中を
私はただずっと見ていた…