俺が席に戻ると、
冷やかし野郎俊司が
ニヤニヤしながら俺を見る。


「んだよ。気持ち悪い」

「あんな可愛い子とラブラブで
うらやましいな~。」

「べ…つにラブラブなんかじゃ…」

「照れちゃって♪」


くそ…俊司の奴…。
部活のとき覚えてろよ。
お前の捕れない球
投げてやるからな!!



─でも…。やっぱり俺は
萌花への想いを閉じ込めることは
できないことが分かった。

そんなことができるほど
俺は器用な奴じゃねぇしな。

好きなら好き。
それでいいんだよな。






─この選択が俺の野球人生を
狂わすなんて思ってなかった。