─俺がそう言うと女の子は
黙って俺の近くに来た。
「…グス…ありがと…」
─ドキ
お礼を言われ、ドキっとした。
女と関わることが少ない俺は
こんな場面初めてだった。
緊張を隠しながら俺は言った。
「…っ…とりあえず近くの
公園行こっか。」
誰も居ない公園。
俺達が歩く足音だけが響く。
話しを聞くと言ったものの
何を話せばいいかわからない。
「…あなた野球部?」
「え?あー…うん。」
いきなりその子に聞かれて
戸惑いながら返事をした。
「…そっか…グス…」
「…何があったんですか?」
俺が聞くと、その子は
目に涙を溜めながら俺に話し始めた。

