「俊司!早く行こうぜ!」

「お前早すぎだって」


6限目の授業終了のチャイムが
鳴ると、俺は誰よりも早く
グランドに向かう。
一刻も早く野球がしたいから。



「ちゃーっす!」


誰よりも早くグランドに向かうのに
やっぱり一番早いのは主将の祥平さん。


「上崎はいつも早いな~」

「早く練習したいんで」


俺がそう言うと祥平さんは
優しく微笑んでくれた。

主将の祥平さんは
野球センス抜群で、顔よし
性格よしの人気者。
俺の憧れでもあって、ライバル。
俺はいつか祥平さんを
超える選手になるんだ。


「大会、秀英らしいっすね」

「あぁ。油断は禁物だな。
今日から一緒に自主練するか?」


祥平さんからの思わぬ誘いに
俺は嬉しさを隠しながら答えた。


「いいんすか?」

「おう。当たり前だろ」

「お願いします!!」


俺が頭を下げると、
祥平さんは俺の肩をポンっと
叩いて、グランドへ行った。


「祥平さんと自主練とか
うらやましいなお前!」

「やっぱ祥平さんやばい」


俺の憧れ。俺のライバル。
めちゃくちゃかっこいいです!