ザァ~~……。


サラサラサラサラ……。



『また来ちゃったよ。』


つい最近、来たばかりなのにね?


横を振り向けば、


遠くに別荘が見える。

『あそこで、みんなと遊んだな。』



ばか騒ぎだったけど。


あたしは楽しかった。


だけどね?



『諒太がいなきゃ、無理だよ。』


笑顔が作れないよ。


楽しくないよ。


心が冷たくなったよ。


『温めてよ。』


前みたいな、









花火みたいな、
キラキラした笑顔で。


藍色の麻袋を見た。


人って、こんなに小さくなるんだ。



てかもう灰だけど。


『……ここでいいかな?』


あたしはこの海に、灰をばら蒔くよ。


そして、









『………あたしも行かせてね?』


諒太の所に。



行っちゃいけないって分かってんだ。


だけどこれ以上、諒太がいない世界にいたら、



『……寂しい。』



恋ってスゴいよ。


絶対、雄汰以外本気にならないって決めたのに、


こんなにも簡単に、


崩してさ?


だからあたしは、









ジャブ……









あなたの所に行きます。