天使的に☆悪魔的な

……………………………
『被害者の名前は?』


『雨本 諒太。

15歳。B型。

トラックに追突され、意識不明の重体。

幸い、適切な処置でまだ脈拍数に異常はなし。

ただ呼吸困難に陥ってます。』


『諒太!!』

『諒太!!
死んだら蹴り入れたるんだから!!』


『お前がいなかったら誰がバスケの話しに付き合ってくれるんだよ!!』


『お前が死んだら誰が俺等を盛り上げるんだよ!!』


『あんたは里衣を幸せにも出来ないの!?』


みんなそれぞれ、


自分たちの想いを叫んだ。


いつもなら人前で泣かない青依も、


瞳に涙を浮かべながら、諒太を叱っていた。


ねぇ諒太?


あなたはこんなにみんなから必要とされてるんだよ?


なのにこのまま死んだら、


もったいないじゃない。


そんな想いを抱きながらも、


諒太は静かに手術室に入っていった。