天使的に☆悪魔的な

ようやく智樹の唇が離れた時、




ちょっと物足りなさを感じてしまった。



『先輩、かなりズルいですよ。』

『だって里衣からはしないだろ?』


『本当に好きな人だったらやりますよ?』

『だったら俺は本当に好きじゃないの?』




とちょっとイラッと来た口で聞いてきた。



女たらしなあんたを好きになる訳ねえだろバーカ。




『まだ分かりません。だけど今年中には答えを出すつもりです。』


そんな気なんてないけど。

『俺は何度でも君が振り向くまでアタックするよ?』

『それであたしが振り向くとは限りませんから。』




このあたしを振り向かせようなんて1000万年早いし。



『とりあえず、もうそろそろ帰ろう。じゃないと君の彼氏が来そうだから。』



そう言って智樹……じゃなくて先輩は先に部屋に戻った。









その後すぐ、先輩の悲鳴が建物中に響いた。



多分、青依に殺られただろう……。

先輩、御愁傷様。