『あんたはいつも…寸前になって、じだばたするんだから』


故郷に残してきたファンセが、俺に対して言う口癖だった。


フッ…。


何故だろ?

あいつのことを思い浮かべると、

こんな絶望的な状況でありながら、

自然と笑えた。



今回の戦争は、長引けば、

負ける。


面と向かって、口にはしなかったが、

故郷のやつらは、みんな…そう思っていた。


だが、何もしないで…

俺達の状況が良くなるはずがなかった。

宇宙(そら)で産まれたというだけで、

なぜ差別され、虐げられなければならないんだ。

俺だけなら…

俺達だけなら、

我慢できたかもしれない。

だけど、

あいつのお腹に、未来への契りが産まれた時、

俺は軍に志願した。

みんな…そうさ

だから、ここまで戦ってこれた。