「お腹が減り過ぎちゃって…エネルギー切れ」

ははは、と私は乾いた笑いを響かせた

紅夜さんが口を緩めて、笑うと頭を撫でた

「おかしなヤツ」

紅夜さんがハンドルに手を置いて、ちらっと家を見た

綾さんのいる家を、心配そうに……ううん、切なそうに眺めてから車を発進させた

また心の奥が痛くなる

苦しくなる

鼻の奥がツンとして、目が熱くなった

ダメ…泣きそう


紅夜さんと一緒にいるのに
楽しく時間を過ごしたいのに


どうして心の奥がこんなに苦しくなるのだろう